ハワイ州弁護士 栗原幸花
April 8, 2024
米国帰化移民局(USCIS)は、帰化申請書(フォームN-400)を改訂し、第三の性別オプションとされている「X」を追加することを発表しました。男性もしくは女性という二つのジェンダーに当てはまらない性自認を持っている方の総称として第三の姓(another gender identity)である「X」が世界でも使われ始めてきましたが、移民局の申請書類には男性・女性以外の性別を示す選択肢はこれまでありませんでした。そういった理由より、以前は男性でも女性でもない方にとって、様々な移民申請のプロセスの中で男女どちらかの選択を強いられるといった状況にありました。
移民局の発表によると、2024年4月1日に改正された帰化申請書(フォームN-400)は、X性別のオプションを含む、移民局での最初のフォームとなります。また、2024年4月1日以前に改正前のフォームにて帰化申請された方に関しては、申請時に男女の選択肢しかなかった為、ご自身のジェンダーをXに更新するようリクエストすることも可能となります。現時点では、Xの選択肢が追加されたのは帰化申請書のみとなります。しかし、今後移民局が他のフォームでもXの性別オプションを含めるよう改正した際には、現在進行中の申請であってもX性別への変更をリクエストできるようにしていく模様です。
これまでも、アメリカ国務省やその他の連邦および州の機関にて、性別Xの選択肢を採用しており、パスポートや身分証明書などでもXというジェンダーの表示が認められてきました。移民局の新しいポリシーにより、そういった国や機関の取り組みとも一致することになり、外部発行の身分証明書や個人データとの一貫性や正確性も保証されることになります。又、移民局が今回こうしたポリシーを採用したことは、多様なジェンダーやアイデンティティを受け入れる姿勢でもあり、大きな前進であると思われます。
April 2024
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