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米国企業透明化法の現況と今後の対応案

by | Apr 15, 2024 | Articles

ハワイ州弁護士 佐渡山美紀

April 15, 2024

2024年1月1日より、ペーパーカンパニー等を通じて、マネー・ローンダリング、テロ資金供与、脱税その他の違法行為を行う者の取締を支援することを目的とし、連邦企業透明化法(Corporate Transparency Act)(以下、「CTA」)が施行されました。当該施行により、多くの中小企業に対し、実質的支配者情報・実質的所有者情報(Beneficial Ownership Information)(以下、「BOI」)の報告書を、連邦財務省金融犯罪捜査網(Department of Treasury’s Financial Crimes Enforcement Network)(以下、「FINCEN」)に提出することが義務付けられました。

ところが、その後、2024年3月1日に、アラバマ州北部地区の連邦地方裁判所は、CTAの合憲性を問う訴訟案件に対し、CTAは、合衆国憲法上、立法府に付与されている特定権限(州際通商条項(Interstate Commerce Clause)、必要かつ適切条項(Necessary and Proper Clause)等)に基づいて施行されていないため、違憲であるという判断を下し、原告については、CTAの執行を差し止めるという結果となりました。(National Small Business United v. Yellen)

これに対し、米国連邦司法省は、早速、2024年3月11日に、第11巡回連邦控訴裁判所に控訴しました。

他方、FINCENは、当該訴訟の原告については、地方裁判所の差止命令に従うが、訴訟の原告以外には引き続きCTAは有効であり、対象報告会社はCTAを遵守し報告書を提出する義務があるというスタンスをとっております。

なお、現在、オハイオ州北部地区の連邦地方裁判所でも、CTAの合憲性を問う訴訟案件(Gargasz v. Yellen)が進行中であり、他の管轄区域でも同様の訴訟が発生する可能性があるでしょう。

上記を踏まえ、弊所では、CTAのペナルティ条項も考慮し、以下の対応案をご提案します。

  • 本年、新規で設立される法人は、CTA期限内(設立日より90日以内)に、BOI報告書を提出する。
  • 既存法人は、BOI報告期日が2024年12月31日なので、その日に近づくまで、一旦、様子見されても宜しいかと思います。但し、期日が迫り、CTAを廃止するような動きが見られない場合すぐにBOI報告書を提出できるよう、予め報告書の内容は用意されておくことをお勧めします。

上記に関し、ご質問・ご不明点等があれば、お気軽にお問い合わせください。

April 2024

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