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Q&A:離婚はグリーンカードの条件解除に影響する?

by | Oct 17, 2022 | Articles, Q&A

ハワイ州弁護士 栗原幸花

October 17, 2022

離婚はグリーンカードの条件解除に影響する?

アメリカ市民との結婚を通してグリーンカードを取得された場合の、よくあるご質問について回答します。

Q)アメリカ市民との結婚により2年の条件付きグリーンカードを取得しましたが、条件解除の申請をする前にアメリカ市民との離婚をしたいと考えています。もし条件解除の申請を行う前に離婚した場合は、グリーンカードはどうなりますか? 母国に帰らなければいけませんか?

アメリカ市民との結婚をベースにグリーンカード(永住権)を取得した場合、最初に発行されるグリーンカードは2年間のみ有効の条件付きグリーンカードとなります。10年間有効である通常のグリーンカードを得るには、条件付きの2年間のグリーンカードが無効となる90日前から、条件削除の請願(Removal of Condition)を移民局へ提出する必要があります。この条件削除の請願をする際に、夫婦であるアメリカ市民と外国人お二人の署名が必要となります。しかし、2年が経過する前までに離婚した場合は、配偶者であったアメリカ市民が請願書に署名することができなくなります。そういった場合は、Self-Petitionと言われる外国人のみが申請者となって条件解除の申請を行う方法があります。Self- Petitionの場合は、条件付きグリーンカードが失効する90日前まで待たなくとも、申請を行うことができます。そのため、グリーンカードの失効90日前まで離婚せずに我慢しなければならない、といったことはありません。

Self Petitionの条件として、お二人の結婚が「誠実な結婚」であったことを証明する必要があります。つまり、グリーンカードの取得を目的とした結婚ではないということです。更に、離婚をせざるを得ない理由がなければなりません。つまり、結婚をしてから何かしらの事情が変わった、もしくは結婚当初には予測しなかった事態により、離婚が不可避である状況に陥ったことを証明する必要があります。よるある例としては、結婚後にアメリカ市民である配偶者のギャンブル依存症が発覚した、浮気癖がある、暴力暴言を振るわれる、などですが、他にも様々な理由が考えられます。

Self Petitionによって条件解除が認められるためには、誠実な結婚であったことの証明、また結婚を維持するのが困難である原因についての厳しい審査をパスしなければなりません。よって、できる限り多くの証拠を集める準備をしなければなりません。誠実な結婚であったことの証拠の例としては、二人の間に子供がいることの証明、夫婦として居住していた家の証明、結婚式や家族旅行等の写真や航空券のコピー、共同名義の銀行口座や保険などが含まれます。また、申請者ご自身のステートメントの中で、結婚に至るまでの過程、そして幸せな結婚生活、さらに、結婚後に発覚した予想しなかった事態と離婚に至る経過について、明確に説明することも、移民局の審査官を説得する上で重要となってきます。

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