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米国移住を希望するご家族を経済的にサポートする方法 (Affidavit of Support)

by | Mar 24, 2025 | Articles

ハワイ州弁護士 栗原幸花

March 24, 2025

アメリカ市民もしくは永住権(グリーンカード)保持者として、親族のグリーンカード申請・取得をサポートする場合、Affidavit of Supportという扶養宣誓供述書(Form I-864)に署名し、提出する必要がございます。Form I-864に署名することで、グリーンカードを取得しようとしている親族を経済的に支援することを法的に約束します。これは、グリーンカードを取得する移民が政府からの公的な支援に頼る必要がないことを保証します。米国の法律のもと家族ベースの申請でグリーンカードを取得するすべての移民は、経済的サポートをするスポンサーが必要になります
Form I-864の目的として、新しい移民がフードスタンプやメディケイド、補足的保障所得(SSI)、貧困家庭一時扶助などの公的扶助に頼る必要がないことを保証します。Form I-864を提出してグリーンカードを取得し、後に特定の公的扶助を受けた場合、その給付を行った機関は、給付金の返済をスポンサーに要求することができます。 

Form I-864署名する

  • プライマリースポンサー:主となるスポンサーは、移民のグリーンカード申請をスポンサーする米国市民もしくは永住権保持者でなければなりません。 
  • ジョイントスポンサー:プライマリースポンサーの収入が条件を満たさない場合は、ジョイントスポンサーが必要です。ジョイントスポンサーは、プライマリースポンサーと同じ責任を担います。 

移民請願書を提出する人は、その移民を支援する扶養宣誓供述書Form I-864を提出しなければなりません。Form I-864が提出されない場合、申請者のスポンサーシップは完全ではないと判断され、その移民請願書に基づく移民許可は与えられません。

スポンサー資格 

  • 18歳以上であること。 
  • 扶養宣誓供述書を提出する時点で米国に居住している米国市民または永住権保持者であること。 
  • 連邦貧困ガイドラインの125%以上の所得があること。ガイドラインはUSCISのウェブサイトを参照。www.uscis.gov/i-864p 

スポンサーとしての主な責任 

スポンサーは、スポンサーする移民者が連邦貧困ガイドラインの125%以上の所得を維持することを保証し、所得がこのレベルを下回る場合は、経済的サポートをしなければなりません。
但し、現役軍人が配偶者・子供をスポンサーする場合の所得条件は、貧困ガイドラインの100%となります。
所得条件を満たせない場合は、当座預金や普通預金、株式、債券、物件などの資産を繰り入れて、スポンサーの財政能力を判断する場合もあります。連邦貧困水準は、米国保健福祉省(Department of Health and Human Services)によって毎年更新されます。

経済的リスクと留意点

  • 法的影響 移民が経済的支援必要となった際にスポンサーが経済的支援を提供しなかった場合、移民スポンサー本人を訴えることができます。その場合、裁判費用や弁護士費用をスポンサーが負担する可能性もあります。 
  • 破産破産した場合であってもForm I-864に基づくスポンサーの義務が免除されるわけではありません。 
  • 政府からの給付金:移民がメディケイド、SNAPTANFSSIなど資力調査に基づく給付金を受け取っている場合、スポンサーはそれらを返済する責任があります。救急医療サービスや失業手当のような、資力調査に基づいていない給付金については返済する責任はありません。 

スポンサーとしての責任・義務はいつ終わるの?

スポンサーとしての経済的サポート責任・義務は、以下のいずれかが発生した時点で終了します: 

  • 移民米国市民権を取得した場合 
  • 移民が40クオーター(約10年間)の仕事を終了した場合。 
  • 移民が永住権を放棄して、永久的に米国を離れる場合 
  • 移民が強制送還され、その後、別のスポンサーを通じて再び米国永住権取得した場合 
  • 移民が死亡した場合 

離婚後の継続義務

スポンサーと移民が離婚した場合でも扶養宣誓供述書に基づく責任がなくなるわけではありません。また、裁判所は一般的に、婚前、婚後、離婚契約などの私的な取り決めを、スポンサーとしての義務を回避する正当な理由として認めません。 

スポンサーからの離脱

グリーンカードの申請が承認される前であれば、スポンサーシップを撤回することができます。ただし永住権が許可されると、指定された条件のいずれかに該当しない限り、スポンサーとしての義務は確定します。 

スポンサーの住所変更

移民経済的にスポンサーするとなった場合、スポンサーとして経済的責任が終了するまで、スポンサーは、移民局に自身の住所を知らせることが法的に義務付けられています。住所変更があった場合は、引っ越した日から30日以内にForm I-865(スポンサー住所変更届)を提出する必要があります。詳しくは、Form I865の説明をよくお読みください。 https://www.uscis.gov/i-865  

スポンサーとしての責任

Form I-864に署名することは、重大な法的責任を伴います。これらの義務を理解した上で手続きを進めてください。スポンサーされる移民が公的扶助を受けずに自身で生活できるよう、必要に応じて弁護士に相談することも検討してください。 

 

March 2025

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